人の陰口・悪口を言う人は、日頃溜め込んでいるネガティブな感情を人に話すのが気持ち良く、ストレス発散につながっているでしょう。周りが同意すれば、共通の敵がいる事を認識でき、連帯感のようなものも生まれます。しかし同じ考えではない人がその場に居合わせた場合、それを聞かされる周りの人間は、気持ちのいいものではないでしょう。特に悪口を言われている人に対してある程度の理解を持っている人であれば、何とも言えない気持ちになってしまいます。
悪口を言う事は自分の価値を下げる事につながります。人の悪口は誘惑で、言っている時は気持ちが良くテンションも上がりますが、実際は幼稚で恥ずかしい行為と言えるのではないでしょうか。人の悪口を言う事で、人としての格を下げるとも考えられます。
誰にでも合わない人や嫌いな人はいるでしょう。しかし、一旦嫌いと思ってしまえばなかなかその感情は無くならず、悪口を言っているうちに心の底からその人を嫌いになってしまいます。人を嫌いになるという事はある種の攻撃性を持っていて、相手の不幸を願う事もあります。しかし、その思考は自分にとってプラスとなるのでしょうか?
悪口を言うという行為にはある種の快感が伴いますが、人間性を低くするという事を認識しましょう。そして、人を嫌うという感情もコントロールする事で、逆に自分を高める事ができます。
まず、嫌いと思っている相手にも良い所があると認識する事から始めましょう。相手の凄い所や良さというのを客観的に探してみる。相手の良さが理解できれば、次はそれを認める。そして認めた上で、自分と相手は全く異なる人間なのだと理解する事です。それができれば嫌悪感は薄れていくでしょう。
それでも心の中で引っかかるのであれば、物理的な距離を取る事です。相手と距離を置く事は自分を守るための立派な手段です。周りから見れば仲が悪いように映るかも知れませんが、相手を尊重した上での自己防衛のための手段なのですから、気にする必要はありません。
そしてもう一つの対処法としては、自分の良い所を見つけ、自分自身を磨く事です。人の悪口を言うきっかけの一つは相手に対する劣等感です。知らず知らずに相手を羨んで、その人を貶めようとして悪口を言ってしまうのです。自分はどんな性質を持っているのか理解できていれば行動に移せますし、自分に何が合っているか分からない人は友人・知人や家族に聞いてみるのもいいでしょう。自分で気づけなかった自分の強みを知る事が出来るかも知れません。そしてその強みを生かし、自分を成長させていく事で、人の悪口を言うのは馬鹿らしいと思えるでしょう。
相手を嫌う事、苦手意識を持つ事自体は悪いとは言いません。ただ、悪口を言う行為はその負の感情に拍車をかけてしまいますし、ネガティブな発想が常につきまといます。そして、漫然と人の悪口を言う事で人間的な成長が止まってしまう事もあるでしょう。
相手を認め、自分を高める。それでも無理なら距離を置く。悪口という稚拙な行為から卒業しましょう。
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