人生には、山あり谷ありといった出来事、成功と挫折といった経験、精神的安定や健康状態、お金の有無などがあります。どれも独立した存在とも言えますし、リンクしているとも考えられます。
何も災厄が起きず、健康で安定した生活を送れる事は、幸せな状況です。しかし、人間というのは慣れる生き物であり、忘れる生き物でもあります。幸せと感じる感情も、当たり前という一種麻痺した感覚により、自覚できない事も多いです。
挫折や失敗、災厄を経験した人は、今ある状況のすごさというものを実感しています。健康を損ねた人は、健康体というのはどれほど尊いものかという事を痛感します。何もアクシデントが起きない時はそれが当然と思えるし、健康でいる事が通常であればそのありがたみを感じる事は余りありません。
心の健康を失う人もいます。心の病は回復させるのに薬物治療や休養が必要です。痛みや日常動作の不自由さはありませんが、精神的苦痛が続く状態はかなり辛い状況です。回復していく過程で、安定した精神状態がどれほどありがたいかという事を実感するでしょう。しかし、精神的苦痛を味わう事がなければ、精神的な安定に価値を感じる事は少ないかも知れません。
お金は少なければ貧しい生活や辛い思いを強いられ、多ければ生活レベルが向上します。お金に対する執着の度合いは人それぞれですが、一般的にはお金が多いほど、貯め込む人や投資で増やそうとする人、また贅沢な生活を過ごそうとする人などがいます。お金に対する欲望にはきりがありません。お金に困らなければ、そのありがたみを感じる事は薄いでしょう。
そういった中で、辛い思いをした人は、その経験によって普通という事の尊さを知っています。いつ辛い現状から抜け出せるかという不安や苦しみを抱き、時がそれを解決したとしたら、それほど幸せな事はありません。そういう価値観が芽生えます。
辛い経験をすべきというわけではないのですが、今ある事が幸せだと理解できるのは確かです。日常のありがたみを忘れず、何もない平和な毎日に感謝できる感性を持っているかどうかで幸福度は変わってきます。
今辛い思いをしている人もいるでしょう。時が解決する事かも知れませんし、乗り越えていくべき壁なのかも知れません。抗えない流れがあるかも知れません。そういった状況で前向きでいられるメンタルがあるかどうかで、日常の捉え方が変わってきます。現状に悲観せず、辛い状況でも何とかやっていこうと思える人は精神的に安定した生活を送れます。前向きな考え、楽観的な発想、そういった感性があるかどうかで、世界の見え方が変わってきます。日常に感謝する事ができれば、精神は安定し人生を快適に過ごす事が可能になります。
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