また新たな恋をしたいと思ったが、すぐに何かしようとは思えなかったし、彼の事もすぐに忘れる事もできなさそうだったので、仕事に専念しようと思った。もう30歳までに彼氏がどうとか結婚がどうとか、焦っても仕方が無いと思った。
そうして30歳を迎えた。周りは結婚して子供もいたりしている。自分は独身で彼氏もいない。すごく差がついたと思った。仕事は楽しく、プライベートもそれなりに充実しているが、やはりパートナーがいない寂しさというのはある。
職場の元カレは年下の彼女とすぐに結婚し、地方に転勤した。一度社内恋愛したので、もう職場での出会いはこりごりだった。
週末は、今となっては数少ない独身友達と、飲みに行ったり遊んだりしていた。合コンに行こうと言う話しもあった。ただ、人数集めが難しく、同世代でパートナーのいない人を集めるのは苦労した。
自然な出会いがなく、たまの合コンに行っても何かピンとこなかった。連絡先を交換して別の日に会ったら、何か違うなと思ってトキメキを感じなかった。
マリンスポーツの集まりは恥ずかしくて顔の出しようが無かった。だから他の何か楽しみを見つけなければと思った。手始めにヨガ教室に行ってみた。ちょっとした出会いがあるかなと少し期待したが、当然ながら女性ばかりで、しかも友達や話し相手を作るような空気では無かった。しかしヨガは健康に良いし、日頃のストレスを少し忘れさせてくれるので通った。
次に英会話教室に行ってみた。普段英語は必要ないのだが、海外旅行で英語を話せたら楽しいかなと思って申し込んだ。ここでもちょっとした出会いを期待したが、少人数制で、時間も都度決めるので、仲良くなろうとしても授業が重ならない事の方が多く、授業中のコミュニケーションでしか交流はできなかった。それでも身になればためになると思い、通った。
そうこうしているうちに2年が経過した。相変わらず出会いは無く寂しさはあったが、趣味はできたし仕事は順調で毎日は充実していた。自由に使えるお金もあったので、日頃の自分のご褒美にと、大好きな服やカバンを買った。
マッチングアプリも始めた。アプリで彼氏ができたとか、結婚したとかいう話しを聞いて、自分もやってみようと思った。最初は新鮮で、結構いいねもついた。だがいいねをくれるのはなんか変な人ばっかりだったし、そもそもメッセ―ジが面倒だったし、いざアポ取って会ってもトキメキを感じなかった。結果アプリは放置してしまった。
いつの間にかお一人様ができるようになり、1人バーから始まり、色んな所に一人で行けるようになった。一人カラオケなんか余裕で、この間は一人旅デビューをした。一人旅なら北海道か沖縄でしょうという事で、北海道に行ってきた。初めての北海道はどこに行けばいいかわからず、とりあえず札幌と小樽に行った。そして北海道にハマってしまった。次は釧路か旭川か、富良野美瑛あたりも行ってみたい。一人焼肉もいけるようになり、何でもできるようになってしまった。そして気が付けば35歳が目前となっていた。
仕事では部下無しの係長職になっていた。職責は重くなり、その分やりがいがあり、相応の収入を得ていた。だが、やはり何か物足りなかった。。周りの独身友達は減り、行動を共にする仲間が少なくなってしまっていた。そんな中、一番の遊び友達の子が、街コンに誘ってくれた。前々から興味はあったが、さすがにこれは一人では行けないと思っていたので、渡りに船だった。
街コンは男女ともに出会いがあった。参加者で意気投合し二次会に行くと、異性と知り合う事もできたし同性とも知り合って、また別日に街コンに一緒にいったり飲みに行く事もあった。もちろん異性との出会いがメインなので、そちらに気を取られてはいけないのだが、同じ境遇の仲間意識が芽生え、仲良くなったりもした。
街コンだけでなくお見合いパーティーも行った。あまりの人数と回転の早さに目がくらんだが、マッチングする事もあった。パーティー中は誰と何を話したかもよく覚えていなかったので、後日二人で会う時はほぼ初対面といった感じだった。
街コンやお見合いパーティーで知り合って何度かデートにも行った。結局彼氏はできなかったが、色々デートを楽しんだり、自分には合わないけどこういう出会い方があるんだと知れたのはよかった。
しかし、考えてみれば、大学・職場・合コン・アプリ・街コン・お見合いパーティーと、異性と出会う色んな媒体を利用してきたが、結局今は一人身だった。あとは結婚相談所くらいだろうか。自分は恋愛気質だと思っていたから結婚相談所は違うなと何となく思っていたが、今年で37歳。立派なアラフォーである。結婚願望はあるので、入るなら今なのかなとも思えた。ただ、きっかけというか勇気と言うか、手間というか面倒というか、何か一押しが欲しかったが、それがなかなか無かった。
だから、あと一年他の婚活を頑張ってみて、ダメだったら結婚相談所に入ることに決めた。
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